知足荘は平成18年に完成し、12年が経ちました。
設計を一人の担当に委せっぱなしのため、施主の意向が生かされず、ケアハウスの実情を知らない設計者による設計、そして施工管理で施主が当初考えていた満足のゆく建物にはなりませんでした。
工事費は決して安くなかったのですが、きっとゼネコンに押し切られたのでしょう。
それでも完成した以上、容易に改築することは出来ませんのでそのまま使用し、少しづつ可能なところから改装をおこなってきましたが、未だ充分ではありません。
この度の改装で、多少は入居者の皆さんにも満足のゆくものになったと思います。
大手ゼネコンの施工で出来上がりは決して悪くありませんが、使い勝手が悪いところがあり困っていました。
完成から13年に入りましたので、入居者の居住性を考慮して、皆さんが少しでも満足して頂けるよう少しだけリニューアルさせて頂きました。
施工がはじまってから設計の不合理なところがいくつか見つかり、急な設計変更が間に合わず、施主や受注したゼネコンからクレームがつくことも結構ありました。
大屋根の設計を取り違えて、ゲストハウスの窓が高さが足りなかったり、玄関屋根部分が短かったり、このほかベランダの位置など・・・。
これ以外にも機械室や洗濯室の位置、共有スペースの窓の形、大きさ、階段室のスリットの形式なども問題としてありました。
今はありませんが自販機コーナーや、使いづらい高額な大型洗濯機を5台すいつけたり、やりたい放題でした。
何よりも大きいのはロビーやエントランス、食堂に大きな柱を設けたことです。
安価に設計しようと考えていたようですが、施主に費用対効果の説明もなく、設けてしまったのです。
これは解体しないかぎり解決はしませんので、我慢するしかありません。
ここにおいても、重大な問題を施主に相談しないという勝手な行動つまり、「報・連・相」の欠如が如実にあらわれた結果なのです。
これからも少しずつ改善してゆきたいと思いますので、宜しくお願い申し上げます。
予備スペースを設け、2番目の下駄箱、傘立てを設置
受付から見た事務所
事務室の内部
ロビー中央の柱を細くした 事務室、洗い場を新設(作業中)
共有トイレにガラスの袖をつける。脇に広い姿見
事務室、洗い場を新設
新しく設けた談話室。会議や趣味の会で利用できる
高級応接セットは生地を明るく張り替え
靴入れ、傘立てや郵便受けをブラインドにするためパーテーションを設置
ラウンジの一部
事務室を拡張