理事長のひとりごと

理事長 中山 輝也

理事長 中山 輝也

元号が変りました。「平成」から「令和」へ、「令和」は私にとって何となくさわやかでやわらかい印象です。
 世界で唯一元号を有する国であります。日本には各国が注目しています。「元号」は、我国では未来永劫大切にしてゆくことです。
 当社も昭和48年(1973年)から設立されて今日で3つの元号に亘ります。先日、新しく即位され天皇陛下も象徴として世界平和を希求されると宣言されました。
 きびしい国際情勢の中で「令和」により日本の将来の発展を暗示しているようです。

話は変りますが天皇陛下には、平成4年、皇太子のころ2002年に京都で30分間ほど、お話させていただいたことがあります。
 万国地質学会が国立京都国際会議場で盛大に開催されたときです。私達と親しい交流をもっていたロシア極東原材料研究所長、ユーリーバクリーン博士も出席していました。
 そこでは、中国、韓国等も含め、且つて、知り合った地質学者や技術者にも再会することができ楽しい一時を過ごすことが出来ました。
 さて、その開会式が午後6時から行われることになっていました。当社の新潟大学名誉教授茅原一也先生、そして私は全国地質調査業連合会の代表として招かれ、早めに2人で来賓控室に入りました。
 少し早かったためか、私達のほか、どなたもおりませんでした。先生と私が2人で雑談しておりますとドアが開き、数人の男性が入室しました。そのうち1人が「すみません。しばらくの間、殿下のお相手をしていてください。」と言って出ていくではありませんか。そのうちのお一人が、殿下と解り、畏れ多く、また突然のことに驚くやら恐縮するばかりでした。
 殿下の方から、軽く会釈されたのには、びっくりしました。「どちらからですか。」「新潟からです。」「新潟は良いところですね。」「殿下は登山がお好きですね。」「大好きです。」「新潟県や県境の山もいくつか登りました。」そんな会話が続きましたが、殿下に、「お酒は好きですか。」申し上げると、「日本酒は大好きですよ。」「銘柄は。」「それは申し上げられません。」やんわりとお答えを躱されました。そんなやりとりのうちにお付きの方が入室され、「有難うございました。」と言って、殿下は、退出なさいました。
 陛下の気さくな国民と接するお姿、お言葉が身に沁み、普段は会議をそっと抜けだすこともあるのですが、最後のセッションでまじめに聴くことが出来ました。
その会議が素晴らしい国際会議であったことが今でも記憶に甦ります。
 「令和」年代は、殿下の気さくで気配りなさるお姿に「令和」の新時代日本が、少子化が進むなど山積する問題を抱えても、更なる発展を期待できると確信するものです。

さて、話は変わりますが「知足だより」も創刊から15号を数えておりますが、私共の会の広報、そして連絡誌にもかかわらず、決して定まった間隔で発刊されていた訳ではありません。
 それは、当事者として、怠慢であり、期待している皆様を裏切るものです。
 今後は、少なくとも1年3回、季節の変わり目、たとえば、1月、5月、9月の発行とさせて頂きます。
 さらに、関係する各界の方々の投稿や、新しい情報、そして皆様のコーナーを設け発行してゆきたいと思います。
 皆様のご支援、御協力を宜しくお願い申し上げます。なお本号は「令和」となった節目として発行させて頂きました。

私共の施設は、法律用語では「軽費老人ホーム」と言われますが、私はこの言葉はあまり好きではありません。「軽費」どころか立派に居住費を頂戴しているのです。
 「老人ホーム」という言葉も、今の日本の礎を汗を流して築いた人達に対する言葉としては失礼です。
 家族数が多く家族での介護や支援が充分行われていた頃、それがたまたま都合で、不可能な人々の入居を対象としたものです。
 今の少人数の家族構成の中では、大多数の家庭でご家族がお年寄りの面倒をみることは出来ません。
 ケアハウスはグループホームや特養などと異なり、且つて我が国を支えて下さって現在も健康で、自立可能な高齢者が胸をはって堂々と自分の住居として暮らせるのがケアハウスなのです。
 そこで私は自分勝手に「健常高齢者集合住居」と表現しているのです。
 この「用語」はどなたからもクレームがつきません。
 是非とも、これからは、名称の変更をお願いしたいのです。
 そして願うことは、入居者がいつまでも元気で楽しく暮らせることです。
 今後は少々要支援度が若干上がっても、お住まい出来るように考慮してゆく必要があります。

もとはと言えばこの施設は、私が気まぐれに許可をうけた「一法人、一施設」の小規模なものですが、大規模法人が設けている施設などとは異なった、何か他と異なるもの、そして何か新しいものをめざして行きたいと思います。
 この施設には大正、昭和、平成、そして令和の四代の長きに亘って、現在の繁栄する今の日本へ支え、導いた方々も入居しております。それは私共にとって誇りであります。
 是非ともその方々も大切に、更に居心地のよい施設となることを目標としてゆきます。
 そして「知足荘」を他にはない自他共に認めあう、気品のある人々の集まる施設をめざし、更に努力してゆく所存です。
 皆様のご指導、ご支援をお願い申し上げます。