はじめに

施設長 貴舩 育英

今年も暑い暑い夏でした。特に自然災害が顕著で竜巻被害など過去、我が国でこのような大規模な竜巻の発生は記憶にありません。また全国的に地域によっては今回のような豪雨や台風など規模のうえでは気象庁で観測したことがない等の特別警戒警報が目立ちました。やはり地球温暖化等の影響がじんわりと忍び寄ってきているのでしょうか。幸い新潟市では大きな被害もなく、知足荘の皆さんはこの夏の異常な暑さでも熱中症にかかる人もなく、お元気に過ごされたことがなによりでした。また最近では福岡市の整形外科病院での火災により多くのお年寄りの死亡事故の報に接し、私ども知足荘職員一同も他人ごとではなく、身の引き締まるおもいであり、一層の安全の再確認をしたところです。ケアハウスでの夜間での宿直体制は法定で1人体制となっていますが、当施設では西巻参与(建築士、技術士で当施設の設計者)の協力により緊急時には当人が非番でも2人体制とし、安全安心体制に万全を尽くしています。

今後とも生きがいをもって皆様が日々、楽しく有意義に過ごせる安住の施設として、しかも地域住民のセイフテイネットとしての役割を果たすため職員一同一層の研鑽に努めてまいります。

さて当施設も今年の12月で7年目になります。光陰矢のごとしでアッ!というまの時の流れでした。その間、楽しかったこと悲しかったことなどいろいろなことがありました。今年は当施設で初めて「紀寿」を元気で迎えられた五十嵐静子様がおられました。大勢の方々に祝福を受けられたのですが、残念ながらその後体調を崩され、日々医師の治療が必要となり老健施設に入所されました。しかし現在はお元気とのことで職員一同大変喜んでいます。これからも皆さんが長寿で元気にそしてお互い仲良く、楽しく日々幸せに過ごされんことを願ってやみません。

今回の知足だよりは投稿が少なかったので、その穴埋めにもう少し小生の駄文をつづけたいと思います。前述しましたように今年も異常気象でした。その原因の一つに地球温暖化があげられるといいましたが、先ごろ地球温暖化の現状と将来に関する科学的根拠を国連の世界委員会(気候変動に関する政府間パネル:IPCC)より公表されました。それによりますと世界の平均地上気温は1880年〜2012年において0.65〜1.06と上昇傾向にあり、明確な温暖化を示しておるそうです。過去20年にわたり、グリーランド及び南極の氷床の質量は減少しており、氷河はほぼ世界中で縮小し続けており、早急な温暖化対策に取り組むよう警鐘しております。では地球温暖化とは何かといいますと、炭酸ガスなどが大気中で増加することにより温室効果が高まり、地球の平均気温が上昇する現象のことをいいます。この炭酸ガスなど(自動車や火力発電所等々排気ガスに主として含有)の温室効果ガスが上空でガラスもしくはビニールハウスのような働きをして、地球を暖めている状況を想像してください。今この炭酸ガスなどがどんどん増えつつあり、それにつれて地球の温度が上昇しているわけです。1980年代に入り、世界的に異常高温が報告されています。日本でもここ数年夏季に記録的な豪雨や竜巻など自然災害が多発しており、これまでにない異常気象に異変を感じている人も多いのではないかと思っています。日本でもいろいろと温暖化対策に取り組みはじめています。そのひとつに太陽光発電があります。当施設を運営する社会福祉法人知足常楽会の理事長でもあり株式会社キタックの中山社長はこの太陽光発電事業に着手したところであり、温暖化対策の貢献などその成果が期待されるところです。いずれにしても、このような地球環境問題に対処していくためには「地球規模で考え、足元から行動する」ことの積み重ねが求められています。つまり我々一人ひとりが身近な例えば電気等エネルギーの節減やゴミをできるだけ作らない出さない、リサイクルの協力等日常生活の中で環境に配慮しながら行動することが環境への負荷を減らすことになります。確かに個人の影響は小さいものですが、それが国民全体、そして世界で考えると大きなものになり、また、長い年月の経過とともにさらに大きな影響を及ぼすことになります。皆さんのご協力をよろしくお願いします。